谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」
てっきり一冊丸ごと「陰翳礼讃」なのかと思ったら、
「陰翳礼讃」は一つの章に過ぎなかった。なんだ。
通しで読むと、
他の章の厠(かわや)の話が強烈すぎて、「厠、厠、厠……」で頭の中が塗られてしまった。
なんか、臭気や湯気までリアルに立ち上ってくるんだもん。
「厠、厠、厠……」ですよ。
それでも一つ目の章、「陰翳礼讃」を読んでるときは言葉の美しさにうっとり浸って、
語られる闇夜に浮かぶ灯りと、その灯に照らされる塗り物の肌なんかに陶然としてました。
わけても書院の障子のくだりはトランス状態に入れる気持ちよさ。
アルヴォ・ペルトの「アリーナ」、その中の「鏡の中の鏡」という曲がぴったり。
自分の状態によって、時には不安が増幅されて空恐ろしくなる時もありますが、
ハマる状態の時は、ものすごい落ち着く曲です。
静かな湖面にたゆたっているような、
冷たい鏡面に寝転んでいるような、
シンプルで、硬質で、甘やかさない孤独な曲。
しらじらとしたほの明るさというイメージ。
てっきり一冊丸ごと「陰翳礼讃」なのかと思ったら、
「陰翳礼讃」は一つの章に過ぎなかった。なんだ。
通しで読むと、
他の章の厠(かわや)の話が強烈すぎて、「厠、厠、厠……」で頭の中が塗られてしまった。
なんか、臭気や湯気までリアルに立ち上ってくるんだもん。
「厠、厠、厠……」ですよ。
それでも一つ目の章、「陰翳礼讃」を読んでるときは言葉の美しさにうっとり浸って、
語られる闇夜に浮かぶ灯りと、その灯に照らされる塗り物の肌なんかに陶然としてました。
わけても書院の障子のくだりはトランス状態に入れる気持ちよさ。
アルヴォ・ペルトの「アリーナ」、その中の「鏡の中の鏡」という曲がぴったり。
自分の状態によって、時には不安が増幅されて空恐ろしくなる時もありますが、
ハマる状態の時は、ものすごい落ち着く曲です。
静かな湖面にたゆたっているような、
冷たい鏡面に寝転んでいるような、
シンプルで、硬質で、甘やかさない孤独な曲。
しらじらとしたほの明るさというイメージ。
2007.10.15 | 本 | トラックバック(0) | コメント(2) |
島本理生の「あなたの呼吸が止まるまで」を読んだ。
帯にあった「突然の暴力」という言葉から、
やはり島本作品のナラタージュの中にあった、
柚子ちゃん事件のようなものを想像してたんだけど、
なっかなか肝心の事件が起こらなくて、
ラスト1/4くらいまで延々とどうでもいい(さほど重要でもないような)学校生活の描写が続くので、
飽きた。
小学生女子の語る、ですます調の小説って私はどうも肌に合わないみたい。
山田詠美の蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)でも思ったけど。
舞踏家の父と二人で暮らす小説家志望の12歳の主人公が、
信頼していた、優しい大人のはずの男の人に裏切られ、
卑劣な行為を強要される。
心に傷を負った彼女は、
自分の身に起きた出来事を将来文章にして発表することで、
彼に対する復讐を誓う、といった内容なんだけど、
事件をきっかけに過呼吸になったりしてるわりには、
父親や同級生の男の子に対して、嫌悪感とか拒絶とか感じてないのがちょっと不思議だった。
父親の頑丈そうな体の厚みと、相手の男の体躯を比べたりしてるし。
「男」という性そのものにどうしようもない気持ち悪さを感じてもおかしくないのになあと思った。
もともと神経症的なそぶりを見せている子だっただけに、余計ね。
しかし、こういう気持ちの悪い男って、世の中いっぱいいるよなあ。
小学生時代、
物陰に連れ込まれそうになったり、露出狂に出会ったり、いきなり写真撮られたり、
後をつけられたり「しなかった」女の子って、少ないと思う。
事実、私も何回もその手の輩に出会ったし、友達もまたしかり。
不審者が出るって、学校で注意されたりもしたし。
子供なんて、たとえ何かされたとしても、
絶対親には知られたくないし、誰にも言えない生き物だと思う。
なにをされたかは理解できなくても、
それが忌むべき行為だとは本能で察知するし。
まさに、ロリコン野郎は逝ってよし、です。
帯にあった「突然の暴力」という言葉から、
やはり島本作品のナラタージュの中にあった、
柚子ちゃん事件のようなものを想像してたんだけど、
なっかなか肝心の事件が起こらなくて、
ラスト1/4くらいまで延々とどうでもいい(さほど重要でもないような)学校生活の描写が続くので、
飽きた。
小学生女子の語る、ですます調の小説って私はどうも肌に合わないみたい。
山田詠美の蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)でも思ったけど。
舞踏家の父と二人で暮らす小説家志望の12歳の主人公が、
信頼していた、優しい大人のはずの男の人に裏切られ、
卑劣な行為を強要される。
心に傷を負った彼女は、
自分の身に起きた出来事を将来文章にして発表することで、
彼に対する復讐を誓う、といった内容なんだけど、
事件をきっかけに過呼吸になったりしてるわりには、
父親や同級生の男の子に対して、嫌悪感とか拒絶とか感じてないのがちょっと不思議だった。
父親の頑丈そうな体の厚みと、相手の男の体躯を比べたりしてるし。
「男」という性そのものにどうしようもない気持ち悪さを感じてもおかしくないのになあと思った。
もともと神経症的なそぶりを見せている子だっただけに、余計ね。
しかし、こういう気持ちの悪い男って、世の中いっぱいいるよなあ。
小学生時代、
物陰に連れ込まれそうになったり、露出狂に出会ったり、いきなり写真撮られたり、
後をつけられたり「しなかった」女の子って、少ないと思う。
事実、私も何回もその手の輩に出会ったし、友達もまたしかり。
不審者が出るって、学校で注意されたりもしたし。
子供なんて、たとえ何かされたとしても、
絶対親には知られたくないし、誰にも言えない生き物だと思う。
なにをされたかは理解できなくても、
それが忌むべき行為だとは本能で察知するし。
まさに、ロリコン野郎は逝ってよし、です。
2007.10.15 | 本 | トラックバック(0) | コメント(0) |
欝蒼とした森にたたずむアトリエ、
静かで謎めいた裁縫師、
服をあつらえに来た9歳の少女、
禁断の恋──
なんか小川洋子っぽいなあと思って読んだらほんとに小川洋子っぽかった。
どうせプラトニックだろうとたかをくくっていたら、
軽々と一線を超えてしまったので驚いた。
直木賞受賞、再婚、そして鬱病の発症、
日記形式で語られる闘病の日々。
個人のブログでも市販されてる本でもそうだけど、
他人の鬱の状態をえんえんと見せられると、引きずられて
心も体も重た〜くなってくる。
私が影響されやすいだけなのか、それとも経験があるから思い出してしまうからなのか。
どうでもいいけど、
作中に出てくる場所を繋ぎ合わせると、
山本文緒の住んでる辺りがだいたいわかってしまった。
2007.09.14 | 本 | トラックバック(0) | コメント(0) |
閉園間際のさびれた遊園地を舞台に、
登場人物と現在と過去がクロスオーバーして最後一つに繋がる──
ということをやりたいんだろうけど、
目の付け所はいいと思うんだけど、
いかんせん文章がヘタ。
love history (角川文庫)
でも思ったんだけど、
アイデアはいいけど文章がすっごくつまんないだよなあ。
もう西田俊也作品は買わないことにしよう。
別に作中に出てきているわけじゃないけど、例えとしていうなら
「コーヒーを入れた」という趣旨の描写
(ストーリー的には重要じゃないシーン。なくてもいいくらいの)
を描くのに、
やかんに水を入れて、
コンロにかけて、
戸棚からインスタントコーヒーのビンを出し、
カップを出し、
お湯を注ぎ、入れた
くらいのまどろっこしさ。
ただ「コーヒーを入れた」で済ましゃあ、テンポを落とさず語れるじゃね?
たまに市販されてる小説でもこんなの見かけるけど。
ひどいのになると上記のシーケンスにさらに
本当は紅茶党なんだけど、葉っぱが切れてるのでインスタントコーヒーにした、とか
戸棚からコーヒーのビンを出す時、別の物を落としそうになって慌てるとか、
どーでもいい描写がさらに差し挟まれることがあったりもする。
閉園する遊園地が舞台で、昔の思い出にひたりに登場人物がやってくる以上、
その思い出の描写も必須ではあるんだけど、
どーにもこーにも、エピソードが生きないとうか、
ノレない。
2007.08.26 | 本 | トラックバック(0) | コメント(0) |
タイトルいいね。
いんらんの母から生まれたが故に、
異形のごとき美貌のかんばせを持って生まれてきてしまった少女・七竈(ななかまど)と
その親友で、
同じく七竈のいんらんの母のせいで、
異形のごときかんばせを持って生まれてしまった美貌の少年・雪風(ゆきかぜ)との物語。
七竈に雪風──。
このネーミングセンスだけで個人の拒否反応の度合いが測れる通り、
ダメな人はまず受け入れられない世界。
登場人物がやたら古めかしい喋り方をするので、
オタ臭いのがこれっぽっちもダメな人には向かない本。
全ての人間関係がどこかしらで繋がっているような、狭い地方都市を舞台に、
特異な生まれと美貌ゆえに居心地の悪さを抱える少女(鉄道模型マニア)が
ワールドをどのように脱してゆくか、という小説。
取り立てて大きな事件やイベントがあるわけではないけれど、
舞台となる旭川の冷たい空気や七竈の赤い実が目の前に浮かびます。
結末は私、とても残酷だなあと感じました。
手に手を取って一緒にどこかに消えてしまって欲しかったな。
2007.08.26 | 本 | トラックバック(0) | コメント(0) |
こちらは文句なしに良かった本。
モノレールねこ。
モノレールねこ!
このネーミングセンス!
塀の上に乗るとお腹のお肉が両側に垂れ、さながらモノレールの様相を呈するデブ猫を指した言葉。
素晴らしい!
ねこ死んでしまうので、とても悲しいのですが、
読後感バツグンにいい!
泣きながら笑い、空には青空。
そんなイメージ。
S&Mシリーズでおなじみ、森博嗣さんの本。
店名も無く、場所もそのつど変わる不思議な料亭。
他に客のいる気配も無い。
個室。
静けさ。
そして必ず食事を相伴する女性がひとり。
失踪した後輩。
雨。
静けさ。
闇。
白。
非現実のあわい。
モノレールねこ。
モノレールねこ!
このネーミングセンス!
塀の上に乗るとお腹のお肉が両側に垂れ、さながらモノレールの様相を呈するデブ猫を指した言葉。
素晴らしい!
ねこ死んでしまうので、とても悲しいのですが、
読後感バツグンにいい!
泣きながら笑い、空には青空。
そんなイメージ。
S&Mシリーズでおなじみ、森博嗣さんの本。
店名も無く、場所もそのつど変わる不思議な料亭。
他に客のいる気配も無い。
個室。
静けさ。
そして必ず食事を相伴する女性がひとり。
失踪した後輩。
雨。
静けさ。
闇。
白。
非現実のあわい。
2007.08.10 | 本 | トラックバック(0) | コメント(0) |
恋人や配偶者、はたまた会社の上司にまでキレて暴力をふるう女達にスポットライトを当てた本。
ストレスが溜まるとキレたくなるよ、わかるよ、
あ〜、今こいつ殴れたらどんなにかスッとするか。
でも大抵の人はそこで
人の目とか、やり返されたらどうしようとか、立場を考えてストップかけるんですが、
そのストップがかからなくなった女達はどうするのか、と。
続いて、イシダイラさんの美丘。
とにかくね、カバーの写真に惹かれて買ったのです。
どういうポーズになってるかよくわかんないけど、キレイ。
帯のあおりもどんな大作なんだろうとワクワクさせてくれる。
読後は、小説を読んだというより映画とかドラマを見終わった後って感じ。
それも、
世界の中心で愛を叫ぶとかそれ系。
ちょい皮肉なイミで、これ映画とかドラマにすればいいと思うよ。
最近の若手使ってさ。
そういうののノベライズみたいな軽さなんだもん。
主人公の友達4人のどっからどうみてもやっつけ仕事なやる気のない人物設定に(゚Д゚ )ハァ?
仲良しグループ加減に反吐が出る。
なにこれ、ホントに大学生?
気持ち悪いよ。なんでこんな魚フン(注・金魚のフン)みたいにいつも一緒なのこいつら?
肝心の美丘も、言うほど生き様に全てが表れてるようには見えなかったしなあ。
あれだ、
普段エロキャラを売りにしている男に限って実際は意気地ナシな、あの感じに似てる。
おいおい、威勢のいいのは口だけか〜? とスタンドからヤジが飛ぶあの感じ。
あんまりいいと思えんかった。
イシダイラさんやっつけ仕事したな。
でも夏フェスの朝のシーンは良かった。
まばゆく輝いて記憶に残る唯一のシーン。
2007.08.10 | 本 | トラックバック(0) | コメント(2) |













